回転工具ホルダ選定ガイド:VDIとBMT、タレットの確認手順、仕様の決め方

結論から。回転工具ホルダの選定は価格比較から始まるのではなく、タレットインターフェースの確認から始まります。 VDIはDIN 69880で規格化されているため、同じ呼称なら同じシャンクです。BMTはISOにもDINにも制定されていません。 同じ「BMT55」でも、ボルト配置・位置決めキー・駆動カップリングが機械メーカーによって異なることがあります。 ここを間違えると、回転数もトルクも価格も意味を持ちません — そもそも取り付きません。

Mongtec Precisionは台湾・台中で設計・エンジニアリングを行う工具ブランドです。このガイドは、当社技術部門が見積前に実際に行っている 確認手順そのものです。順に確認していけば、何を発注すべきかが分かるか、あるいは何を当社に送れば確認できるかが分かります。

409タレット仕様を公開している機種
228回転工具ホルダ品番
385PSC品番
57対応工作機械メーカー
機種名を送って適合ホルダを確認してもらう

1. 回転工具ホルダとは何をするものか

回転工具ホルダ(回転工具ホルダ、ライブツーリング)は、CNC旋盤のタレットに取り付け、タレット内部の駆動軸から 回転を受け取る工具保持ユニットです。旋削と同じ段取りのまま、フライス・穴あけ・タップ・溝入れができるため、 本来なら別工程でマシニングセンタに移す必要のある加工を1回の段取りで完結できます。

これに対し静止工具ホルダは駆動を持たず、バイトやボーリングバーを保持するだけです。 複合加工機のタレットには通常、両者が混在します。

経営面での意味はこうです — 回転工具のポジションを正しく1つ使えるごとに、段取り1回、搬送1回、待ち時間1回が消えます。 だからこそ選定は最初から正しく行う必要があります。

回転工具ホルダと静止工具ホルダの外観

回転工具ホルダはタレットから回転を受け取り、静止工具ホルダはバイトを保持するだけです。複合加工機のタレットには両者が混在します。

ERコレットと内部クーラント穴を備えたMongtec BMT回転工具ホルダ
ERコレットと内部クーラント穴を備えたMongtec BMT回転工具ホルダ
DIN 69880タレット用Mongtec VDI回転工具ホルダ、ER16コレット
DIN 69880タレット用Mongtec VDI回転工具ホルダ、ER16コレット
Mongtec BMT60回転工具ホルダ、ER32コレット、回転数とトルクを本体に刻印
Mongtec BMT60回転工具ホルダ、ER32コレット、回転数とトルクを本体に刻印
ER25コレットチャック付きMongtec BMT回転工具ホルダ
ER25コレットチャック付きMongtec BMT回転工具ホルダ
Mongtec BMT静止工具ホルダ、外径タイプ、機械加工および表面処理済みボディ
Mongtec BMT静止工具ホルダ、外径タイプ、機械加工および表面処理済みボディ
Mongtec BMTダブル外径静止工具ホルダ、ツインボア
Mongtec BMTダブル外径静止工具ホルダ、ツインボア

2. VDIかBMTかは選べない

これは「どちらが優れているか」という問題ではありません。お使いのタレットが決めます。 選択の余地は機械を購入した時点で決まっています。この表は、自分がどちら側かを判別するためのものです。

 VDIBMT
規格DIN 69880 — 公開された国際規格業界の事実上の標準。ISO・DINいずれも未制定
取付方式円筒シャンクをタレットの丸穴に挿入し、側面からセレーション面に締結タレット端面に平面で密着させ、位置決めキーを基準に4本ボルトで固定
主なサイズVDI16 / 20 / 25 / 30 / 40 / 50 / 60BMT45 / 55 / 65 / 75 / 85
剛性シャンク部の締結力に依存端面接触面積が大きく、フライス負荷下では一般に高剛性
交換性1点締結のため着脱が速い4本ボルトのため着脱に手間がかかる
互換リスク低い — 同じ呼称なら同じシャンク同じ呼称でも寸法が同じとは限らない。機種ごとに確認が必要
主な採用機欧州製旋盤、ディスク型タレットの一部DN Solutions(斗山)、現代WIA、マザック、オークマ、ハースなど複合加工機の多く
最も損失の大きいミス。仕様書の「BMT65」という表記だけを見て、そのまま発注してしまうこと。 BMTには規格上の拘束がないため、ボルト円・キー位置・カップリングが合わないことがあります。 届いたホルダが取り付かず、再発注してもう一度リードタイムを待つ — しかも機械はすでに生産計画に入っている、という状況になります。

正しい手順:機種名とタレット端面の写真をお送りください。Mongtecの技術部門が実際のタレット図面と照合してから見積を作成します。 この確認に費用はかからず、メール1通で済みます。
インターフェースが不明な場合はタレットの写真を送る →

3. 3分でタレットを判別する

  1. 機械の銘板とメーカー仕様書 — 最も確実。タレット型式とインターフェースが明記されていることが多いです。
  2. タレット端面を見る — 丸穴+側面クランプねじならVDI。平面+4本ボルト+位置決めキーならBMT。
  3. 既存のホルダを1本外す — シャンク形状ですぐ分かります。機械付属の工具リストにも記載があります。
  4. 公開機種リストで照合 — Mongtecは57メーカー・409機種のタレットインターフェースを掲載しています。

それでも判断がつかない場合は、タレット端面の写真と機種名があれば技術部門で判別できます。

4. 発注を決める5つの仕様

インターフェースが確定したら、次の5点で品番が決まります。これらが揃っていれば、見積のやり取りは4往復ではなく1往復で済みます。

仕様なぜ選定を左右するか
加工方向・姿勢アキシャル(端面加工)、ラジアル(外径加工)、アングルヘッド。何より先にホルダの系列が決まります。
工具取付部コレットサイズ(ER11〜ER50)、サイドロック、アーバ、焼きばめ。使用する工具側から決まります。
回転数と増減速比1:1が標準。増速は小径工具の回転数を確保し、減速は重切削のトルクを確保します。Mongtecの公表仕様は標準6,000〜12,000 min-1、増速仕様で最大32,000 min-1です。
トルク回るかどうかではなく、実際に削れるかを決めます。公表ライン能力は最大160 Nm。個別ユニットの定格は見積時に確認します。
クーラント外部・内部・through、最大100 bar。ここを外すと、ホルダの価格に関係なく深穴での工具寿命が一気に落ちます。

Mongtec Precisionが公表している仕様範囲です。個別ユニットの定格は見積時に技術部門が確認します。

5. 選定ミスの実際のコスト

加工現場が損をするのは、ホルダの価格ではありません。損失はここで出ます。

起きることコスト
インターフェースが合わない再発注と2度目のリードタイム。しかも機械はすでに生産計画に入っている
トルク不足びびり、面粗さ不良、不良品、ホルダ寿命の短縮
回転数不足小径工具が適正回転域を下回る — 1個あたりの工具コストが上昇
クーラント仕様の誤り深穴での工具寿命が急落。切屑処理のための計画外停止
振れ精度の逸脱ロット内での寸法ばらつき、手直し、品質部門との調整
Mongtecの回転工具ホルダには、1台ごとの個別検査成績書を添付しています — ロット単位の一般的な証明書ではなく、その個体の実測値です。振れやトルクが加工品質に直結する部品であれば、 工具をタレットに載せる前に数値を確認できます。

6. 品番を調べる

インターフェースが分かれば、品番は公開されています。

インターフェース公開品番数
VDI3062点
VDI4075点
VDI5016点
BMT5519点
BMT6511点
全インターフェース(VDI16〜60、BMT45〜85)228点
PSCポリゴンシャンク(ISO 26623)385点、PSC32〜PSC100

機種から探す場合は日本語の機種一覧へ — マザックオークマ中村留精密工業を掲載しています。

7. 他社品からの置き換え

VDIとBMTは機械側の開放されたインターフェースであり、工具メーカーを変更してもタレット側の改造は一切不要です。 Mongtecでは36件の競合比較ページを公開しています(WTO、Benz、Heimatec、EWS Weigele、Sandvik Coromantなど)。 置き換え対象の品番と機種名をお送りいただければ、技術部門が相当品を確認します。

記載の他社名はすべて各権利者の商標です。Mongtec Precision Inc. は独立した工具ブランドであり、 これら各社との資本・提携・ライセンス関係はありません。社名はインターフェース適合の説明のためにのみ使用しています。

8. 見積依頼時に送る情報

揃っているほど回答が早くなります。分からない項目は機種名から当社で割り出しますので、 情報が不完全でもお送りいただく価値はあります。

Mongtecの技術部門は、見積前にインターフェース寸法・逃げ・駆動カップリング・該当品番を実機基準で確認します。 つまりお手元に届くのは「表記が合っているホルダ」ではなく「実際に取り付くホルダ」です。

見積を依頼する — 発注前に技術部門がインターフェースを確認

よくあるご質問

自分の旋盤がVDIかBMTか、どう見分けますか。

タレット端面を見てください。VDIは丸穴に差し込み、側面のクランプねじでセレーション面に締め付ける方式です。BMTはタレット端面に平面で密着させ、位置決めキーを基準に4本のボルトで固定します。タレットが見えない場合は機械の銘板とメーカー仕様書を確認するか、既存のホルダを1本外してシャンク形状を見るのが確実です。Mongtecでは409機種について公表されているタレットインターフェースを掲載しています。該当機種を探すか、機種名とタレット端面の写真をお送りいただければ判別いたします。

メーカーが違っても同じBMT55なら共通ですか。

必ずしも共通ではありません。VDIはDIN 69880で規格化されているため、VDI40のシャンクはVDI40です。一方BMTは業界で広く使われている事実上の標準ですが、ISOにもDINにも制定されていません。同じBMT55の表記でも、工作機械メーカーによってボルト配置、位置決めキーの位置、駆動カップリングが異なる場合があります。これが発注時の最も多いミスです。Mongtecでは表記ではなく実機のタレット寸法を確認したうえで見積を作成します。

純正品や欧州メーカー品をMongtec製に置き換えられますか。

可能です。VDIとBMTはいずれも機械側の開放されたインターフェースであり、工具メーカーを変更してもタレット側の改造は不要です。MongtecではWTO、Benz、Heimatec、EWS、Sandvik Coromantなど36件の競合比較ページを公開しています。置き換え対象の品番と機種名をお送りいただければ、技術部門が相当品を確認します。

見積依頼には何を送ればよいですか。

機械メーカー名と機種、分かる範囲でタレットインターフェース、加工方向(アキシャル・ラジアル・アングル)、コレットまたはシャンクサイズ、必要な回転数とトルク、クーラント方式(外部・内部・高圧)です。既存ホルダの置き換えであれば、旧品番とタレット端面の写真だけでも十分な場合がほとんどです。分からない項目は機種名から技術部門が割り出します。

検査成績書は付きますか。

はい。回転工具ホルダには1台ごとの個別検査成績書を添付しています。ロット単位の一般的な証明書ではなく、その個体の実測値です。

関連情報

全 228 件の品番と詳細仕様 →

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